【活動報告】「一人ひとりが大事にされる災害復興法を作る会」シンポジウムに参加


2015年7月18日—
「現在の災害対応法制では被災者一人ひとりが大事にされていない」・・・主に弁護士が中心となって、被災者の暮らしを再建する具体的な制度を模索する「一人ひとりが大事にされる災害復興法をつくる会」(共同代表 新里宏二・丹波史紀・津久井進)主催のシンポジウムに参加しました。5月に仙台で行われた同会主催のシンポジウムに続き2回目の開催です。
場所は岩手県盛岡市の岩手県産業会館の大ホール。3連休の初日にもかかわらず、50~60人の参加者があったと思います。

会場の様子

シンポジウムは共同代表の津久井進弁護士の開会挨拶で14時に開始。岩手弁護士会・吉江暢洋氏の基調報告、被災当事者の報告(4人)と続き、現状報告としてチーム王冠代表の伊藤健哉と公益財団法人共生地域創造財団の多々良代表が登壇しました。
伊藤は、津波で損壊しながら修理が十分でない(もしくはほとんど修理されていない)在宅被災者宅の写真や、参加者に配られた資料(チーム王冠で制作)を使って今の被災地の様子を報告しました。

開会の挨拶をする津久井進共同代表

 

当事者報告として登壇した阿部悦子さん

 

写真を使って説明するチーム王冠代表伊藤

休憩をはさんで後半は、吉江暢洋弁護士(司会役)、仙台弁護士会の宇都彰浩弁護士、津久井進弁護士、多々良代表、チーム王冠の伊藤の5名でパネルディスカッションが行われました。
まずは伊藤が、発災直後は避難所がキャパシティーオーバーで『自宅の2階が津波を受けていない人は自宅に戻ってほしい』とアナウンスされたこと、『食料は自宅組にも配布する』と約束されたが守られなかったことなど、在宅被災者が発生したきっかけを紹介。また応急修理制度の52万円を給付するときに「受け取ると仮設住宅に行く権利を失う」という条件が付けられたがために、在宅被災者が損壊した自宅をほとんど自己資金で修理しながら生活することを強いられている現状を訴えました。
岩手県大船渡市で活動する共生地域創造財団の多々良代表は、在宅被災者には高齢者が多く孤立した老人も目立つとこや、大船渡市の委託事業として伴走型の支援を続けていることなどを紹介されました。
宇都弁護士は「避難所の設置や炊き出しについて規定している災害救助法の運用に問題がある。被災者がどこにいるか(避難所なのか自宅なのか)は本来問題ではないはずだが、現場(行政)の運用が間違っている。(公的支援の根拠たる)法律はあるがそれを積極的に運用しなかったことに問題がある」と訴えました。
津久井弁護士は罹災証明書の運用方法にも問題があったことに言及。「災害救助法は平成25年に改正され在宅被災者も支援対象になったはずだが、努力目標に留まってしまった。努力すべき人が努力していないのが現状」と訴えました。
ディスカッションの締めくくりとして、「今後必要なことは?」の問いに、伊藤は、「在宅被災者を被災者として認めてほしい」「現在は在宅被災者を支援しても助成が一切ない。仮設住宅で同様の支援活動を行えば当然受け取れる助成が、在宅被災者を対象に行うと受け取れない」と訴えました。

パネルディスカッションの様子

以上、文字数の都合で要約しましたが、実際は約3時間にわたる非常に内容の濃いシンポジウムでした。何より在宅被災者に注目したシンポジウムはとても稀です。今後も福島県や兵庫県でシンポジウムを開催する予定とのことです。またチーム王冠の地元、石巻市での開催も検討されているようです。会の発展が、在宅被災者が公助の枠に入ることの実現につながることを願うばかりですし、チーム王冠としてもできる限り協力したいと思います。(J)

移動支援イージーライダーの梨木あきら氏

 

共同代表のひとり 新里宏二氏

 

一般社団法人SAVE IWATE 阿部知幸氏


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