【活動報告】 コミュニティ再生支援「お茶っこバス」(まとめ)


チーム王冠の被災者支援活動のひとつ、これまで3年間継続的に実施してきた『お茶っこバス』をご紹介します。

【概要・目的】
「お茶っこバス」とは、車内で茶話会等を行うのに適したサロンバスを希望の場所に出張させ、地域住民の交流の場として活用する支援プロジェクトです。バス車内でのお茶飲み話を基本とし、発展的な催しとしてカラオケ大会、温泉ツアー、買い物ツアーなども実施しています。
東日本大震災で失われたコミュニティーの再生と発展、地域住民の「新たな横のつながり」を構築することが主な目的です。
最終的には住民が自発的、能動的にコミュニティーを再生、維持に協力し、地域イベントの継続的な開催等、活発な地域活動が行われることを願っています。

【お茶っこバスを始めたきっかけ】
東日本大震災からおおよそ1年が経過した2012年初頭、各地に建設された応急仮設住宅への移住が進む一方、多くの在宅被災者が応急修理のみの自宅での生活を強いられていました。
在宅被災が暮らすエリアでは住民流出によるコミュニティーの崩壊が進み、震災以前にも増して重要な地域の横のつながりが維持できない、という状態が日常化していました。多くの仮設住宅では住民が気軽に利用できる集会所が設置され、住民同士の交流促進や独居者の引きこもり防止が考慮されている一方、在宅被災者の周囲では集会所のような施設はありません。住民同士の交流を進めコミュニティーを再生するにはお茶っこ(井戸端会議)が有効ですが、そのための適当な場所がない地区でどうするかが課題でした。
集会所を全ての地区に設置、維持することは不可能ですが、サロンバスを出張させれば即席の集会所として使えるのではないか、というアイデアから始まったのがチーム王冠の「お茶っこバス」です。

【実施の流れ】
<前日まで>
地域住民交流の場としてサロンバスが無料で利用できることを、チラシや地区世話役への訪問を通じて広報します。利用の要望があれば下見をして開催場所(バスを停める場所)や日時を打ち合わせして決定し、周辺の在宅被災世帯へチラシポスティングなどで周知します。
<当日>
開催当日はバスを移動させ駐車。誰でも車内でお茶っこができることを記した看板を立て、お茶やお菓子を準備します。利用者は車内でお茶を飲みながら話が盛り上がります。さらに希望があればカラオケも利用できます。開催時間は1か所2~3時間。移動式なので1日に2~3か所で開催できます。ボランティアスタッフはおおむね2人で担当します。
<開催後>
担当したスタッフは開催した場所や参加人数、参加者から聞き取りできた内容(困りごと、悩みなど)を報告書に記録し、好評だった点、要改善点を共有。できるだけ多くの人が、楽しく利用できるよう対策を考え、次に生かします。

【過去の実績】
お茶っこバスプロジェクトは2012年4月から本格的に実施し、2014年3月までの3年間、約60か所で延べ379回実施しました。年平均126回実施した計算です。延べ利用者数は3127人にのぼります。

 

 

 

 

 

 

 

【発展イベント】
カラオケ・・・お茶っこバスには利用者から特に要望が多かったカラオケを導入しました。「震災以前、地域のイベントとしてカラオケ大会が定期的に催されていたが震災後はできなくなった」「よく利用していたカラオケ店が被災して営業再開できず、気軽にカラオケができない」といった利用者の声が多かったことから、車内でカラオケができるようにしました。交流やストレス発散にはとても効果的のようで好評です。

 

温泉ツアー・・・バスというメリットを生かし、日帰り温泉へのツアーを企画しました。チーム王冠のもう一つの支援対象である「みなし仮設」の住民は、なじみの無い土地の民間アパート等で周囲から孤立した生活を送っている場合が多く、身近に相談できる人がいないなどの悩みを抱えがちです。彼らに新たな友人関係を持ってもらうべく、同じような環境の同性4~5人でグループを作り、日帰り温泉旅行を行いました。それまでは見ず知らずの人たちですが、震災という同じ経験を持ち、同じ悩みを抱えていることを話すことを契機に交流が生まれ、その後の友達付き合いに発展しています。「バスで温泉に行く」という非日常性を経験できることからストレスの発散にもつながり、参加者には好評です。「お湯っこ」と呼ばれるこのツアーは過去18回開催しました。

 

【利用者の声】
「ご近所さんとお茶っこはしたいけれど、震災後、被災の程度や修繕の状況をのぞいているようで、それぞれ家に上がりこむのをお互い遠慮していました。お茶っこバスならだれに気兼ねすることなく、好きなだけおしゃべりができるので楽しいです。遠方から来てくれるボランティアさんとお話ができるのも毎回楽しみです」(50歳代女性)
「震災前にあった敬老会が、住民が減り活動停止してしまいました。敬老会で行うカラオケ大会が楽しみでしたが、できなくなって寂しい思いをしていました。お茶っこバスで久しぶりに遠慮なくカラオケが歌えて本当にうれしいです。最近は何を歌うかを考えながら次のお茶っこバスの日を待っています。ぜひ続けてほしいです」(70歳代男性)
「誘われてお茶っこバスに行ってみたら、近所なのに今まで知らなかった人たちと知り合うことができました。今では日常的に行き来する仲になりました。聞いてみれば同じような悩みを持っていたりして、ご近所さんの大切さも感じています」(40歳代女性)
「震災後、縁の無い地区のみなし仮設に独りで住んでいます。昔馴染みも遠く離れ、なかなか会う機会がありません。チーム王冠に誘われて温泉ツアーに参加してみたら、自分と同じような境遇の人がいて、自分だけの苦労じゃないと分かりました。少し不安もあったけれど、思い切って参加してよかったです。次のお湯っこを楽しみにしています」(60歳代女性)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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